高齢者がネットスーパーを利用する為に改善すべきハードルとは?

基礎知識

高齢者とネットスーパー

ネットで近所のスーパーで取り扱う商品を注文して、最短で当日中に自宅まで届けてくれるネットスーパー。

諸事情あって「スーパーまで買い物に行けない」という人には、大変ありがたいサービスです。

その中で高齢者がネットスーパーを利用するメリットとしては、

  • 自宅にいながら、普段買い物に利用するスーパーの商品が手に入る
  • 注文から最短3~4時間で届けてくれる
  • 重い、かさばるなど、持ち運びが大変なものを持つ必要がない
  • お惣菜やお弁当などもお届け可能で、昼食や夕食の食事に使える

などが挙げられます。
それ以外にも「高齢者の交通事故を減らせる」という面もあります。

しかしながら「ネットスーパー」の特性上、どうしても利用者は若者や中高年になりがち。

高齢者がネットスーパーを利用するにあたり、クリアしなければいけない問題と解決策についてまとめてみました。

  • 宅配エリアが狭い
  • デシタル機器が使えない
  • 配送料が高い
  • 実際に商品が見えて買えない

宅配エリアが狭い

宅配エリア

ネットスーパーの実施店舗から3~5kmが、だいたいの宅配エリアです。

ネットスーパーが使えるスーパーだからといって、全ての店舗が対応している訳ではありません。
「近くにスーパーはあるけど、ネットからのお届けサービスは実施していない」というのは良くある話。

都市部であれば特に心配ないのですが、田舎や郊外に住んでいると、結構な割合で「どこのネットスーパーも使えない」ということが充分に考えられます。

特に近くにめぼしいスーパーが無い地域であれば、各地域の生協の宅配サービスや、全国配送可な食材宅配サービスの方が自宅まで届けてもらえる可能性が高いです。

ちなみに広範囲エリアにお届け可能なネットスーパーとしては「イオン」もあるので、こちらも合わせて調べてみることをおすすめします。

デシタル機器が使えない

タブレット

ネットスーパーは名前通り「ネットからの注文」が必要不可欠です。

ネット注文をする為の「デシタル機器(パソコン、携帯電話、スマホ、タブレット)が使えない」の解決策としては、

  • 家族がデジタル機器の使い方とネットスーパーの注文方法を教える
  • 電話やFAXで注文を受付けるスーパーを利用する
  • ヘルパーさんに代わりに注文をお願いする
  • 遠方に住む家族が代わりに注文する

の3パターンが考えられます。

一時期、アピタやイオンが高齢者向けにタブレットを使って注文する方法をレクチャーする取り組みを行なっていたことがありますが、それが定期的に各店舗で開催されることで「ネットスーパーでの注文の仕方が分からない」は解決できます。

最も現実的なのは「電話やFAXから注文を受付けてくれるスーパーを利用する」と「遠方に住む家族が代わりに注文する」こと。

【電話やFAXから注文を受付けてくれるスーパーを利用する】
●電話やFAXからの注文が可能なスーパー例
イオン:とどくんです。
アピタ:テレホン宅配
ダイエー:でんわスーパーおとどけ便

(関連記事:ネットが無くても使える! FAX、電話注文可能なネットスーパーまとめマチの暮らしサポートでは、ローソン店内にある商品をピックアップして自宅までお届けする「お買い物サポート」が利用できます。

前日21時までの注文になりますが、お買い物サポートは電話での受付なので、ネットやデジタル機器が使えない高齢者でも使いやすいのがメリット。

ローソン店頭商品の他にも生鮮食品や、日用雑貨、医療品、ネット宅配サービス「ローソンフレッシュ」の取扱い品も取り寄せられるので、ネットスーパーと比較しても見劣りません。


【遠方に住む家族が代わりに注文する】
受取人の住所がネットスーパー宅配対象エリア内であれば配達が可能。
その為「高齢の両親の為に、自分がネットスーパーで注文後、親元に商品を届けてもらう」という方法も使えます。

会員登録で、配達先住所や生年月日、電話番号を「受取人」のものにすればOK。
商品をお届け時に利用代金を支払う「代引き」を選べば、自分が買い物代金をを負担することもありません。

定期的に注文した商品をお届けすれば、配達スタッフさんと定期的に会うことにもなり、見守りサービスとしての活用もできますね。

配送料が高い

ネットスーパーの配送料は1回300円+税または500円+税、送料無料の上限金額は3,000円以上または5,000円が相場です。

普段の買い物が「週2~3回、1回の購入金額は3,000円未満」という家庭では、どうしても配送料の高さがデメリットになりがち。

生協の宅配サービスでは、65歳以上の方のみの世帯であれば、宅配手数料が半額や免除になる割引制度を実施している生協がほとんどです。

継続的な利用を考えると、まとめ買いをしない限り「配送料が有料」というのは、使いにくさを感じてしまいます。

イトーヨーカドーネットスーパーでは、母子手帳交付日から4年以内の母子手帳を持っている家庭では、登録日から4年間いつでも配送料を1回100円でお届けする「子育て応援キャンペーン」を実施しています。

ネットスーパーにも高齢者世帯への配送料割引特典があれば、利用しやすいのですが、今の所、採用しているスーパーは見当たりません。

地域密着型のスーパーが運営するネットスーパーでは、月額制使い放題サービスを実施している場合もあります。

毎月300円+税や500円+税の月額使用料を支払うことで、1回分の送料で何度も宅配が利用できます。

留守時には指定場所に留置する不在時宅配サービスと併用できることも多く、商品のお届けまで自宅に居る必要がないのも、月額制宅配を利用するメリットとして挙げられます。

【月額制使い放題サービスを実施するネットスーパーの例】


私たちは「送料無料」という言葉に惹かれてしまいますが、ネットスーパーにおける「配送コスト」も考えてみる必要があります。

何でも送料無料にしてしまうと、今まで以上に配送コストがかかり、その配送コストを補うだけの注文が確保できないと、サミットのようにネットスーパーサービスが廃止になる可能性も高いです。

(関連記事:【悲報】サミットネットスーパーが10月31日で終了。大幅な赤字が原因

1回あたりの購入金額が「3,000円以上」と、やや高額に設定されているのは、それだけの買い物をしてもらわないと、配送コスト分を補えないという事情もあります。

生協の宅配サービスは、週1回、決まった時間帯にお届けする「ルート配送」を実施していることで、配送コストを抑えている部分が大きいので、該当家庭を対象にした手数料免除や割引も行ないやすいです。

元々、生協が「相互扶助」の関係で成り立っているのも大きな理由の一つ。

また月額制使い放題サービスを実施するネットスーパーの場合、配達便が「1日2便」と少ないこともあり、生協の宅配サービスのように、1日あたりの配達回数を少なくして、配送コストを抑えているという面はありそうですね。

ネットスーパーを末永く利用していく為には「配送料は『必要経費』」と考えて、支払っていくことが必要かもしれません。

ちなみに「3,000円以上の購入で送料無料」を掲げている、とあるネットスーパーでは、約9割の利用者が1回で3,000円以上の買い物をしています。送料を支払っているのは1割程度しかいないのです。

「1回5,000円以上で送料無料」の場合は、また比率が異なるとは思いますが、やはり「1回で3,000円以上の買い物をするかどうか?」が利用の有無を分けるようですね。

実際に商品が見えて買えない

高齢者だけに限った話ではありませんが「生鮮食品は自分の目で見て買いたい」「届いた食材が傷んでいるかもしれない……」と思う人は、どうしてもネットスーパーの利用を躊躇しがちです。

実際にネットスーパーで届く食材は、鮮度が良いものばかり。

目利きの店員さんが消費者目線に立ち「新鮮で美味しそうなもの」「より日持ちがするもの」を選んでくれるので、自分で店頭で選ぶよりも状態が良いものが手に入ることが多いです。

配達時も商品に合わせて、適切な温度帯(4温度帯『常温、冷蔵、チルド、冷凍』や3温度帯『常温、冷蔵、冷凍』)に分けているので、食品が傷んだり、冷凍食品が溶けたりする心配もありません。梱包も自分で運ぶ時以上に丁寧で厳重に包んでくれるので、傷や割れも未然に防いでくれます。

ネットスーパーは「自分で選んで買えない」という最大のデメリットがある分、クレームや苦情が出ないように、その食品の鮮度や状態に対してはかなり慎重になっています。

その為「自分でスーパーに行って買うよりも鮮度の良い食材が届いた」と驚きの声も良く聞かれます。

「実際に商品が見られないから不安」とは思わずに、一度試しに利用してみると、価値観がガラリと変わるはずです。

関連記事:鮮度や傷みは大丈夫?見て買えない不安を解消するネットスーパーの取り組み

まとめ

今後も高齢者や共働き世帯の増加により、ネットスーパーに対する需要は伸びてくるように思います。

ただしネットスーパー以外にも自宅まで注文した商品を届けてくれる宅配サービスには「生協の宅配」や「食材宅配」などもあり、最近ではコンビニ業界でも地域住民の買い物をサポートするサービスを広く展開するようになりました。

例:セブン-イレブンの「セブンミール」やローソンの「マチの暮らしサポート」など。

その為「自宅まで注文した商品をお届け」ネットスーパーだけに固執する必要性は無くなってきたように感じます。

各宅配サービスのメリットデメリットを比較して「どこが最も使い勝手が良いか?」を考えることが、各家庭で使いやすい宅配サービスを選ぶポイントではないでしょうか。